特別インタビュー

2015.10.3

 

特別インタビュー
橋本大二郎様(前高知県知事)
2015/7/30



南間:本日は宜しくお願い致します。
私どもは少子社会の是正を掲げて2013年12月から婚活パーティー事業を始めました。
今日は少子化の現状などについてインタビューをさせて頂きます。

「少子化について」
南間:少子高齢化が進む現在の日本に於いて、結婚し出産するカップルを増やすことは喫緊の課題だと思われます。
まず少子化についての橋本先生のご見解をお伺いさせて下さい。
橋本:私が高知県知事になったのは1991年ですが、その前年1990年に高知県が全国の47都道府県で最初に人口自然減を経験しました。
この年初めて、生まれてくる赤ちゃんより亡くなる方の数の方が多かったのです。
それで高知の人たちもこれは大変だということになり、高知県に縁のない県外の人でも良いから誰か来てこの流れを変えてほしいとなった。
それが私が突然声をかけられて知事選挙に出たキッカケです。
そういった意味で少子化は私にとって切っても切れない縁がある問題です。
しかしその後、地方で何かをしようと思っても、そういった想いだけではなかなかその流れを変えることはできないと実感しました。
高知県が全国47都道府県で始めて人口自然減になったのは今申し上げた通りですが、その1990年から15年たって2005年に全国日本全体が人口自然減になりました。
その流れは2006年に戻りましたけど、その後もまたずっと人口自然減が続いています。
そういったデータを見ていくと、今のままではこの少子化の流れを止めるのはなかなか難しいと思います。
南間:ではそういった中で私たち日本人ができることはどのようなことでしょう。
橋本:国内でできることと言えば、結婚したいと思っているけれど未婚の人や、そういった出会いの機会に恵まれていない人がいっぱいいますので、まずはそういう人たちの出会いの場を作ることだと思います。
南間:そうですね。ヴィムブライド白金もそういう想いで立ち上げました。
ヴィムブライド白金でまず出会ってもらう。そして交際してもらう。そして結婚・出産に至ってもらえれば嬉しい。
社会の中にそういう機会を増やしていくのはとても重要だと思うのです。
橋本:冒頭に申し上げたように私が知事だった頃、高知県は全国に先駆けて少子化が進んでいました。
そういう状況でしたので議会でも「県がリードしてお金を出して婚活パーティーなどの場を作るべきではないか」という話がありました。
しかしその時は「いくらなんでも税金でやる話ではないでしょう」という意見が大勢で、実際にそういう県主導の婚活パーティーというのは開催しませんでした。
しかし現在では地方自治体でも、県という規模ではないにせよ市町村規模であれ、それぞれに婚活パーティーを含む色々な試みをしています。
私はそういった試みは必要な時代になってきたと思っています。
南間:そうですね。
橋本:しかし自治体や行政がいくら旗を振ったとしても、それだけでは上手くいきません。
それなのでそういう場を社会起業家やNPOなど民間の方々が手助けをして、それを行政が後押しをしていくというような仕組みが必要です。


「自治体の枠組みに捉われない発想を」
南間:一言で地方自治体といってもそれぞれに悩みが違っているということはあるのですか。
例えば農村中心の自治体と、地方の中核都市の自治体とは随分違うのでしょうか。
橋本:もちろん違います。
南間:ではそれぞれの地方自治体の取組みも、税金を使うか使わないか、或いは使うとしたらどういう風に使うかというところも違うのですか。
例えば高知県の場合は市町村単位でかなり違うのですか。
橋本:それはもう、まずそういう出会いの場を作れるかどうかという、その場のあるなしからして違います。
一言で地方といっても都市部であれば、例えば商店街を使って人を集めて出会いの場を作れます。
でも農村部だとそういう商店街もありませんので、では公民館に出会いを求める男女を集めてそれで双方が結婚に繋がるような何かを感じるかというと、なかなかそういう状況にはならない。
このようにそれぞれの市町村単位で、それぞれに抱えている要素が全く違います。
南間:それほど違うものなのですね。
橋本:要は1つずつの街や市町村の中だけで出会いの場を作って少子化を解決していこうとしてもスムーズに解決とはなりません。
それなので他の色々な要素と組み合わせることが必要です。
例えば農村であればJAなり農協なりの支所がありますので「大阪なり東京なりに、自分の所の農産物をPRに行きましょう」と言って若い人たちを連れて行く。
そして向こうで男女の出会いの場を作る。それは勿論、逆に都会に吸い上げられるかもしれません。
しかしそういったカタチでも男女の出会いの場を作っていくのが必要なのです。
それをその市町村自治体の中だけで役所が考えると「市の税金を使うのであれば市の中でだけでお金が使わなくてはならない。それなのに地域外の人のために市の税金を使うのはどうか。」などと言う議員が必ず出てきますが、そういう枠組みを超えて物事を進めなければなりません。
少子化対策はもはや狭い了見でどうにかできる状況ではありまんので。
南間:ある程度の地方都市であれば街コンなども可能かもしれないけど、小さな市町村だとそこだけの枠組みだけで発想していては男女の出会いの機会を増やせない・・。
橋本:最近は街コンという言葉もよく聞きますが、街コンはある程度の規模の地方都市であれば、それはそれで先ほど言いましたように商店街を使うとか、飲食店のラリーをやりながらとか、色々なイベントやパーティーと組み合わせられます。
しかしそこまでの規模でない地方になればなるほど、そういう1つ1つの自治体で独立して男女の出会いの場を増やすのは難しくなってきますので、自分の自治体の外に出て何かを組み合わせて一緒にやっていくということをやらなければならない。


「行政が社会起業家やNPOの後押しを」
南間:実際に自治体の機構ではそういう発想や動きはどのように吸い上げられるのでしょうか。
橋本:少子化について言うと、それはそれぞれの自治体に少子化対策を担う担当課があります。
それは自治体によっては福祉の部署の一部になるかは分かりませんが一応ある訳です。
しかしそういう担当課だけで考えると、単純に「補助金を出して婚活パーティーを開催する」というような発想しか出てこない。
それなので他の担当部署の事業と組み合わせて考える発想が必要です。
例えば農業担当部署が、農村部に自分の地域の物を売っていくというPR事業をしているとすれば、そのPR事業と組み合わせる。
先ほども申し上げましたように「それならば若い人たちを一緒に連れて行って自分の地域の物を売っていく。そして向こうで男女の出会いの場を作る」という発想です。
南間:なるほど。
橋本:今の時代ですから、役所の中でもそういう発想がないということではないんです。
でも実際にはやっぱり予算の作り方などでなかなかやりにくい。
それなので地域で一緒に社会起業家なりNPOなり民間の方が、そういう活動を引っ張って行って下さればありがたい。
「地域の商品のPR企画を地方都市で、或いは東京で大阪で名古屋で開く。
その時に地域の若者を連れて行って、そして向こうの同じようなグループと交流する場を設けて若い男女の出会いを作っていく」
というような企画がないと、なかなか地方になればなるほど若者の出会いの機会は少なくなっていってしまいます。
もちろんそういう企画があったからと言って、直ぐに結婚するカップルが続出して子どもを沢山作ってくれる訳ではないでしょう。
しかしそういう企画を100回開催してそこから1組でも2組でも結婚に至るカップルが成立すれば、それは100のうちゼロよりもずっと良い。
これからの日本にとって、全国に出会いの場を広げて結婚するカップルを増やして、そして子どもたちが生まれていくことは必要です。
南間:本当にそうですね。ただ地方の若者と都会の若者が出会った場合に、逆に都会に若者が吸収されてはしまわないのでしょうか。
橋本:私はこれからの時代は、地方の若者が都会に吸収されっぱなしという時代ではないと思います。
特に東京なんかは一極集中のなれの果てで、2020年の東京オリンピックを過ぎれば人口も減っていくでしょう。
その頃は団塊の世代が75歳以上になっていて後期高齢者が増えてきます。
そうなってくると現実にはなかなか東京での生活が暮らしやすいかというと、決してそうでない時代もくるだろうと思います。
勿論だからといって地方の農村部に東京の人たちが押し寄せるかと言うと、なかなかそういう風にはなりません。しかし揺り戻しは必ず起きるでしょう。
それは国が特別な誘導策を取らなくても自然に揺り戻しが起きていくと思います。
そういうことを長い目で考えていけば、今のうちにどこかの地方に移る、どちらかの故郷に戻るという選択肢を検討していく人たちも増えていくはずです。
だから私はそういったことも含めて、地方の若者と都会の若者を如何に出会わせていくのか、どうすれば子どもを作ってくれるかということを考えるのはとても大切だと思います。


「移民政策について」
南間:お話を聞いておりますと、少し問題が違ってしまうかもしれないのですが、橋本先生は移民政策についてはどのようにお考えになっておられますか。
橋本:移民についてはまず、移民が必要かどうかとか、どうやって受け入れるかという話の前に、今のままでこれからも日本はやっていけるのかを考えなければなりません。
まず日本の人口は2010年時点で約12,800万人ですが、2050年には8,000万人代になると言われています。
当然女性の数も半減していくという状況になります。
そうすると出生率が少々上がったとしても20〜40才くらいの女性が半分に減って行けば、その分母が減ってしまうので結局人口は減ってしまいます。
そして生産年齢人口も減ってしまいますし、そうなると経済も成り立たなくなってくるのは目に見えてしまう。
その一方で後期高齢者が増えてくれば国そのものが成り立たなくなってしまう。
国民年金や国民健康保険という制度が持たなくなってしまう、ということを考えれば、選択肢として移民の受け入れも真剣に考えなければならなくなる。
もうこの国も今のシステムそのものが、今の大学生やそれくらいの世代が高齢者になる頃には成り立たなくなる。
そうなってくると移民の受け入れも選択肢として真剣に考えていかざるを得ません。
南間:海外にはいち早く移民を受け入れている国がありますね。例えば移民先進国と言われるドイツの現状はどうなっているのでしょう。
橋本:ドイツはかなり早い段階から移民を受け入れました。
それはトルコ系の移民の方を多く受け入れたのですが、移民の側が差別を感じたり失業率も高くなったりという現状がある。
それでまず反省材料にされているのは海外からの移民に、ドイツで言えばドイツ語を必ず喋れるようになってもらうという、そういう態勢がシステム化されていなかったことです。
そしてさらに国家的な違いをお互いに無くしていくという態勢についても反省されています。
そういうことを考えていくと、日本の場合も日本に来てもらうのであれば日本語を使えるようになってもらって、そして働いてもらう職種のスキルを磨ける学校なりを整備して受け入れていく必要があると思います。
これまでの外国人の研修制度は、研修と言いながら単純に人手不足をなんとか補おうというものが大半でしたし、その背景にある政策は移民の受け入れまで踏み込んでいませんでした。
しかしこれからはそういうこと整備していた上での移民を受け入れを検討せざるを得ないでしょう。
まあ、今は優秀な人材は取り合いになっているので、今から日本が移民の受け入れを始めても良質の移民が来てくれるかは疑問符がつくくらいですけども。
南間:若い人たちが減っていく社会というのは、生産年齢人口が減っていく社会でもあります。
橋本:今は昔に比べて、若者と高齢者層の人口比率が釣鐘のような格好になってきています。
ピラミッドだったものが逆ピラミッドになってきている。
その昔、1950年代60年代に現役世代が10人で1人のお年寄りをカバーしていたのが、これから3人で1人のお年寄りをカバーするようになる。
そしてそれがやがて2人で1人のお年寄りをカバーするようになる。
それでは絶対に社会保障制度は持ちません。
その危機意識を持ち、その上で将来の日本の姿をイメージして少子化を語らなければなりません。


「婚活は楽しく」
南間:そういう意味では婚活も、基本的なベースは日本という国の未来のデザインからスタートしなければなりませんね。
橋本:いや、私は婚活は婚活で楽しく出会って頂ければ良いと思います。
日本の将来像を俯瞰して一定のイメージを持つというのも考えるべきだし必要だとは思いますが、しかしそういう理屈だけで現実が動いていくかと言うと決してそうではありません。
ましてや今お話していた移民の受け入れなどは反対論が出てきて喧々諤々の議論になるに決まっているし、そんな風に論理だけを闘わせていても仕方がありません。
それなので婚活の現場では、結婚したいと思いながらもなかなか出会いがないという人たちに南間さんのような方が出会いの場を提供する。
そして実際にそこに参加して頂いた婚活中の男女には楽しく出会って頂くということで良いと思います。
南間:そういうことですよね。私もヴィムブライド白金にご参加頂いた皆さまには楽しい雰囲気で異性と出会ってもらえるように心がけています。


「婚活パーティーを主宰する側としてのリスク管理」
橋本:私は今ワイドショー番組のキャスターをやっていますが、そうするとストーカーの類の話が色々と出てきます。本当に勿体ないと思いますねえ。
ストーカーかなんてやってないで、気持ちが歪んでしまう前に区切りをつけて新しい出会いを求めるのが必要だと思います。
ただ南間さんの立場だと、自分が主宰した場で出会ったカップルの中にストーカーをする人が出てくるかも知れないという怖さもありますよね。
そういうリスクについてはどのように考えていますか。
南間:ご指摘はごもっともで、実はヴィムブライド白金を立ち上げる時に一番引っ掛かったのがその部分です。
ある意味では申し込んで下さる方々も様々ですから。
ただ免許証や保険証のコピーの提出を求めているのが抑止力になっていると思います。
その点は他社の婚活パーティーや、最近流行の婚活サイトとは全然違います。
婚活サイトでは偽名で登録して異性と出会うのも可能らしいのですが、ヴィムブライド白金ではそれは不可能です。
私どもとしてもパーティーにご参加頂いた皆さまの免許証のコピーを保管していますし、逆に言うと保管されるとなれば悪い人たちは参加してきません。
それにもしも他人の保険証で参加したとなれば犯罪ですので、私どももそのように対応します。
橋本:なるほど。それは良いやり方ですね。
南間:免許証や保険証のコピーを提出してもらうというのは、婚活パーティーではまずあり得ないです。
おそらく日本中でヴィムブライド白金だけだと思います。
結婚相談所では一般的ですが、婚活パーティーでそこまでやるところはありません。
やはり婚活パーティーは気軽に参加できるというのが売りなところが多いからです。
その点、ヴィムブライド白金は他の婚活パーティーとは全然違います。


「婚活という言葉が生まれた背景」
南間:結婚する人が少ない、もしくは結婚できない人が多いために、「婚活」という言葉が生まれたと思われますが、その背景について橋本先生のご見解を教えて頂ければと思います。
橋本:先ほどから話にでてきているように、一言で婚活といってもその背景は大都市、地方都市、農村漁村とでは状況がそれぞれに違います。
例えば農村漁村では本当に出会いの場が少なくなっているというのがあって、女性にどう話しかけたら良いのだろうという男性も沢山います。
やはり人口が都市部に流れて行ってしまえばしまうほど、地方では全体的に若者が少なくなってきて、そうすると若い頃から年相応に恋愛で悩んだり揉まれたりという経験を逃してしまう男性もでてくる。
本来はそんな経験もまた社会性の一部なのでしょうけど、こういった傾向は地方の若者に限らずですが、今の若者全体にそういった社会性が薄まってきているということも背景だろうとは思います。
それともう1つは言い古されたことですが、女性の社会進出による社会の心理環境の変化もあるでしょう。
現在、女性の就業率が7割近くある中で、結婚して子供を作るという生き方以外の道が選択肢としていくつも提供されています。
そういう社会の変化も大きいだろうという気はします。
南間:たしかに女性を取り巻く時代の変化は大きいでしょうね。
橋本:それなのでやはり女性が仕事に生きがいを感じて、働きながら子育てをしていけるような社会の仕組みが必要です。
それはどこまでどういうお金のかけ方をすればいいのかというのは色々な議論がありますけども、必要なところには徹底的にお金を使ってやっていかなければらないでしょう。
戦前から比べれば全くあり得なかった社会環境の変化が起きているわけですから。
そういった中でさらに子どもを増やしていこうとすれば、昔とは環境が変わった男性や、環境が変わった女性たちが、子どもを作って子育てをしていける社会の仕組み作りのためにもっと思い切ったお金のかけ方が必要です。
南間:時代と共に変化しているものと言えば女性の社会進出の他にも、家庭の在り方そのものが変わってきていると思うんです。
もう夫が働いて妻が専業主婦として子育てをする時代ではない気がします。
そうやって夫婦で違う仕事をしているというのがある程度の前提になってくれば、当然子育ても社会が仕組みを作っていかなければならないというか。
橋本:一言で仕組みと言っても、子育てをしている夫婦からすれば選択肢が沢山あった方が良いです。
それなのでこれが唯一の特効薬だというのはないと思うんです。
当然ながらそれぞれの子どもを持つ親の状況やニーズはそれぞれに違います。
だからといってそれら全てにオーダーメイドで仕組みを作る訳にはいきませんけども、それでもかなりのニーズに引っ掛かるような仕組みを作っていかなれればならないでしょう。
例えば保育所でも、認可保育所と認可外の保育所がありますが、やっぱり認可外も含めて上手く使ってもらえるような仕組みであったり、或いはベビーシッターを使ってもらえるような仕組だったり。
それでいて先ほど話にでた婚活の場のセーフティネットと同じように、保育所であれベビーシッターであれセーフティーが必要ですので、そのセーフティーをどうしていくかも含めてやっていくことが必要です。


「婚活分野にも消費者が判断できる目安を」
南間:セーフティーを考えて行った時に、やはり消費者からすると婚活パーティーであれ保育所であれ何であれ、それがどの程度のクオリティなのかが事前に分かると安心だと思うのですが。
橋本:それはその通りだと思います。
また、南間さんは福祉団体を主宰されているので、そういう問題意識を持たれていると思いますが、まさにそういった仕組みが求められているのが介護分野ではないでしょうか。
私が高知県知事の時代、介護保険が入ってきて施設サービスが進みました。
その時に考えていたのが、この施設は質的にも良いサービスをしているという評価を、消費者の目安になるようなカタチでできないだろうかということでした。
例えば消防だとマル適マークがありますけども、同じように福祉関係のマル適マークというようなことができないだろうかと。
それは当時色々と考えて模索したのですが行政がやるとなると、複雑に絡んだ利害関係などもあり難しかったです。
だけど私はそういう評価の目安が必要だと思います。
南間:そうですね。消費者からすると絶対に欲しい評価の目安です。
橋本:そういうことを考えていくと、私は食べログ的なものがあって良いと思っています。
食べログのシステムは消費者みんなが言いたい放題とか、自分の所を良い評価にするために書いてもらうとかいう話もありました。
でもそういったある意味いい加減な情報もあるんだ、投稿者のバイアスや自作自演もあるんだと認識しながら見ていけば、やはりある程度の評価基準にはなるんです。
南間:たしかに色々な書き込みがあるけれど、文章を読んでいくと自分と感性が合う人はいますよね。
それでそういう人が、こういうところが良いこういうところが悪いといっている。
それだったら一度行ってみようと思うし、実際に行ってみるとたいていはその通りだったりする。
橋本:先日介護分野のメディアにも言ったんですけど、介護分野でも食べログ的に利用者の声を集めていく。
そしてそれをビッグデータに蓄積して活用する。
介護分野でも保育分野でも、役所が認可しているしていないというのは単なる補助金の適用基準だけの話です。
でもそれは消費者視点でのクオリティの良し悪しとは全く違います。
もちろん高齢者や子どもを預けるのに食べログほど気楽ではイケナイのは自明ですが、私はそういったサービスは必要だと思います。
南間:なるほど。そういったサービスを提供するのは行政よりも民間がやる方がスムーズなのでしょうか。
橋本:スムーズかどうかと言うよりも、そもそも立ち位置の問題があります。
例えば役所が消費者に、あの施設はどんなところですかと聞かれたとして、良いとも悪いとも言えません。
応えられるのは料金であったりサービス提供時間などですから。
しかし消費者は常に色々な感想を持っています。
利用してみてこうだった。それで私はこういう風に思った。使い勝手が悪かった。でも思いの他これが凄く良かった。
或いはその介護施設や保育所を利用した高齢者や子どもが、帰ってきて表情がどうだったとか。
今はなにもかも役所が税金を投入していくという時代ではないので、私は民間の力もどんどん活用すべきだと思います。
南間:先生のお話をお伺いして、私は婚活分野でもそういった食べログ的なものがもっとあれば良いと思いました。
橋本:子どもを産まない人が増えた背景は社会環境の変化が一番でしょう。
しかし一方で、結婚したカップルに子どもを産んでもらう社会的インフラの不備もあるのではないでしょうか。
結婚した夫婦に聞くと、3人くらい子どもが欲しいという回答が一番多い。でも実際には1人でとどまっている。
それはやっぱり社会のシステムの問題で、ではその時に色々な受け皿を安心して受けられるかどうかのチェック機能も重要だと思います。
そういう部分をネットやビッグデータなどの発達した技術や、様々に積み重ねられたノウハウを使ってクリアしていくのも、社会の基盤つくりとして必要です。


「シングルファザー・シングルマザーの婚活について」
南間:オフィスヴィムはこれからシングルマザーやシングルファザーの婚活のサポートもしていきたいと考えていますが、橋本先生は婚活を含めたシングルマザー・シングルファザーを取り巻く状況についてどのようなご見解を持たれていますでしょうか。
橋本:これはなかなか難しい質問です。
というのは一言でシングルと言っても、それぞれに個別の事情で相当違うのではないでしょうか。
たぶんシングルになるキッカケもそれぞれに違うだろうと思います。
また、その時に受けた心の傷が残っている方もいれば、そうでなくてさっぱりしたという方もおられて、それぞれの状況の違いがあるでしょう。
正直に申しまして、私はそういう方々のお話をあまり聞いたことがありません。
それなのでシングルマザー・シングルファザーを取り巻く環境についてイメージが掴みにくいです。
南間:たしかに、一言でシングルマザー・シングルファザーと言ってもそれぞれ個別の事情によりそれぞれ違う、というのは橋本先生の仰る通りだと思います。
橋本:私自身は2人の男の子を連れていた女性と結婚をしました。
そのようにして父親がいなかった子供に父親ができ、母親がいなかった子供に母親が出来るのは素敵なことだと思います。
ただいわゆる婚活パーティーで単に結婚したい、女性と男性が知り合う場が欲しいという人たちとは違ったニーズを持っているだろうと思いますので、それをどう読み解いていくか。
また、その中でのまた別のリスクがあるかも知れないので、それをどう取り除いていくのかを考えなければならないのではないでしょうか。
南間:仰る通りだと思います。ただヴィムブライド白金を立ち上げてから、結婚をしたいというシングルマザー・シングルファザーの皆さまから、パーティー開催のご要望を頂くことは多いです。
それともう1つ、ヴィムブライド白金を立ち上げて分かったことがあります。
それは、シングルマザーになりたいんだけれども、色々な理由があって離婚や別居ができないという女性の多さです。
橋本:それはシングルマザーになりたいのになれないということですか?
南間:はい。それもやはりそれぞれに事情が違うんです。
それこそDVに晒されて酷い目にあっているから別れたい。だけどやっぱり経済的な問題もあるしそうもできないという女性もいます。
このDVというのは1つの極端な例ですが、それぞれの理由で離婚や別居に踏み出せないで悩んでいる女性は多い。
いわゆるシングルマザー予備軍の女性たちが沢山いるし、実際にそういう女性は私の身近にも随分います。
それで、なんで離婚や別居に踏み切れないの?と聞くと、生活の問題というのは大きいみたいですし、それと子どもの年齢にもよります。
そういうことから言うと先程のお話にもリンクしてくると思いますが、やっぱりそういう女性たちが安心して子育てできるような保育施設とか、そういった受け皿は本当に大切だと思います。
橋本:非常にデリケートな問題ですね。
ただシングルマザーの方々と、そのシングルマザーの子どもを育てていきたいという方々と、今南間さんが仰ったシングルマザーになりたいという状況を抱えた方々とでニーズが違うのだと思うのです。
それでそれは様々なニーズだろうし、或いは様々な必要性が出てくるのではないでしょうか。
今南間さんが話されたシングルマザーになりたいけどなれない女性たちからのニーズというのは、南間さんは相当感じるんですか?
南間:それは感じます。世の中には幸せな夫婦も沢山いる一方で、結婚生活ってそんなに幸せなのかな、という気持ちを持っている夫婦も沢山いるような気がします。
それでもお互いに普通にやっていれば、シングルマザーになりたいと思うまでにはいかないと思うんです。
でもそこまで追い詰められてしまう。それでもう旦那と一緒にやっていけないと。
それは当然子どものことも考えて、子どものためにも一緒にやっていけないみたいな。
そういう感覚の女性たちがけっこういるんです。
ところが我々はだからといって何をお手伝いできるわけでもない。
でもどうなっちゃうのかなあと心配になることが多いです。
橋本:本当は別居なり離婚に踏み切れた方が次に繋がっていくのでしょうけど。
それは子どもにとってもそうでしょうし、ご本人も新しい相手と出会えたり。
だけどそこにリスクやトラブルが立ちはだかる。難しい問題ですね。
南間:本当に難しい問題です。それこそ生活保護を受けて生活していこうと、そういう選択肢も真剣に検討する。
でも生活保護はまず離婚をしないと受給できないんです。
だからまだ揉めている段階で黙って家をでるということができない。
それだと生活保護の申請が通らないんです。
そうすると当然生活ができない。子どもを食べさせられない。
そういうところで悩んでいる女性がかなりいます。
逆に言うとヴィムブライド白金のパーティーに申込まれるシングルマザーの皆さまは、そこら辺は既にクリアしていて、新しい人生を見つけようという女性たちです。


「シニア婚活について」
南間:ヴィムブライド白金はシニアの皆様の婚活サポートもしていきたいと考えていますが、橋本先生のシニア世代の婚活状況についてのご見解をお伺いできればと思います。
橋本:一言でシニア世代と言っても色々な人がいると思うんです。
それこそ結婚しようとしたいと思っていたけど出会いがなくてそのままシニア世代になった人もいるでしょう。
それから離婚ですとか、或いは死に別れたり生き別れたりして1人になられているケースもあるでしょう。
それで私自身はシニア婚活のニーズは非常に高いと思います。
南間:そうでしょうか。
橋本:本人が結婚したいと公言していなくてもそう思ってたり、周囲も結婚を勧めたいと思っているシニアは沢山いますから、確実にニーズもあると思いますよ。
実際にシニア世代は生活に苦しんでいる人がいる一方で、企業年金などで食べるには困らずに趣味に生きているような独身者も結構います。
南間:私は最近思うんですけど、いわゆるシニアと言われている世代が昔とは違ってきてる気がするんです。
昔だったらお爺さんお婆さんと表現される年齢でも、今は凄く綺麗だしカッコイイ。
橋本:私もそう思います。僕らが子供の頃に見ていた60才の人と、今の60才の人は全然違います。
実際に今の時代は人の体も若返ってきていますからシニアが婚活をして、それで結婚をするのは当り前の時代になってくると思います。
ですから南間さんがそういうシニアの方々のための道を作っていくのは大切なことだと思います。


「ヴィムブライド白金へのアドバイス」
南間:最後にヴィムブライド白金へのアドバイスをお願いします。
橋本:今までの話とつなげていけば、出会いの機会がない若い男女のために出会いの場をどう作っていくかということと、それからシングルマザーやシングルファザー、或いはシングルマザーになろうと考えている女性など、
それぞれの人たちの出会いの場を作っていくということは、それぞれに違う課題にアプローチをしていかなければならない。
それからシニア婚活については、少子化の克服とは違う分野での活動になる。
そういった中でヴィムブライド白金さんは福祉団体から始まっていますし、きっと社会貢献的な意味合いが強い活動になっていくでしょう。
南間さんの今後の活動で、沢山の幸せな家族が誕生することを期待しています。
南間:ありがとうございます!頑張ります!
本日はありがとうございました。